甲状腺眼症とは?1)

監修:オリンピア眼科病院 神前 あい 先生
伊藤病院 渡邊 奈津子 先生

甲状腺眼症は、免疫システムの異常によってさまざまな眼の症状が起こる病気です

甲状腺眼症は、自分の免疫システムが誤って眼の周りの組織を刺激することにより、さまざまな眼の症状が引き起こされる病気です。多くは甲状腺の機能が亢進するバセドウ病に伴って起こりますが、甲状腺の機能が正常な方や低下している方でも起こることがあります。

甲状腺眼症の症状

症状は眼の充血やまぶたの腫れ、眼の痛みやゴロゴロ感、過剰に涙が出るなど、アレルギーやコンタクトレンズによる障害などと間違えやすいものから、ものが二重に見える(複視)、視力の低下、視野が欠けるといったものまでさまざまで、現れる症状は患者さんごとに異なります。眼球突出とよばれる特徴的な症状が現れることもあります。症状によっては失明に至る場合もあるため、眼の症状を見逃さず、早く治療を始めることが大切です。
甲状腺眼症の症状
甲状腺眼症の症状
1) 日本甲状腺学会・日本内分泌学会 編集: 甲状腺眼症診療の手引き メディカルレビュー社, 2020