新しい治療法

監修:オリンピア眼科病院 神前 あい 先生
伊藤病院 渡邊 奈津子 先生
  

病気のメカニズムの解明とともに、新しい治療法が開発されています

現在のところ、甲状腺眼症に対する治療として、ステロイド薬以外の薬剤による治療は確立されていないため、新しい治療法の開発が望まれていました。
甲状腺眼症は免疫システムの異常により起こると考えられているものの、病気の詳しいメカニズムは解明されていません。近年、眼の周りの組織の免疫システムの活性化には、甲状腺刺激ホルモン受容体だけでなくさまざまな分子が関与することが明らかとなっており(図)1)、それらを標的とした新しい治療法が開発されています。 なお、治療法の選択については主治医にご相談ください。
図:眼の周りの組織で炎症が起こるしくみ
  
甲状腺刺激ホルモン受容体とインスリン様成長因子-1受容体が協調して働くことで、炎症を引き起こす物質が産生されます。
  • 日本甲状腺学会・日本内分泌学会 編集: 甲状腺眼症診療の手引き メディカルレビュー社, 2020