患者さんを支える方へ

監修:オリンピア眼科病院 神前 あい 先生
伊藤病院 渡邊 奈津子 先生
  

病気や治療について学び、患者さんの意思を尊重した選択をしましょう

甲状腺眼症の多くの患者さんでは、さまざまな眼の症状によって日常生活に支障が生じ、就労にも影響が及ぶことがあります。また、眼の突出などの外見の変化から、人前に出られないなど通常の社会生活が送れなくなり、不安やうつなどを感じる方も少なくありません。
そのような患者さんを支えるため、まずは病気や治療について学ぶことから始めましょう。診察や面談時に患者さんに同行することは、客観的な立場で説明を聞いたり、聞き漏らした内容を後で確認したりといったことにもつながります。
また、患者さんは周りの方が思っている以上に、外見の変化につらさを感じている場合もあります。手術のメリットと危険性などについて、患者さんとともに納得がいくまで医療者に相談し、患者さんの意思を尊重した治療選択ができるよう、十分に話し合いましょう。

ご自身の生活も大切にしましょう

患者さんを支える方ご自身も、常に自分の心と体をいたわることを忘れないようにしましょう。周りの方が疲弊してしまっては、患者さんもいっそうつらくなってしまいます。少しでもよいので自分のための時間を作り、健康な生活を維持することを心がけましょう。また、つらさを感じたときは主治医の先生に相談したり、カウンセリングなどを紹介してもらうのもよいでしょう。
  • 日本甲状腺学会・日本内分泌学会 編集: 甲状腺眼症診療の手引き メディカルレビュー社, 2020